第三文明社

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世界がわかる 資源データブック

激化する争奪のゆくえ

安部直文著

2050年には世界人口約100億人へ──日本、アジア・豪州、北米・中南米・極地、欧州・ロシア、中東・アフリカの各地域別に、食料資源、森林・水資源、燃料資源、鉱物資源等の現状を、最新データと図表を用いて、わかりやすく解説。世界の紛争の原因の1つとなっている資源の基礎知識と歴史的背景を大づかみにすることができ、コラムでさまざまな資源の話題・豆知識を得ることができます。TPP、南沙諸島問題、シェール革命、水ビジネス、核燃料、人口問題、食料自給率などについて、自然に理解が深まるので、若手社会人や学生の皆さんにもおすすめです。

世界がわかる 資源データブック
書籍
定価:
1,650円(税込)
ISBN:
978-4-476-03359-5
体裁:
四六判ソフトカバー
ページ数:
256ページ
発刊日:
2016年7月1日
在庫状況:
在庫あり




【目次】

[序] 「足るを知る」暮らしへの転換を!

第1章 日本

食料資源
18年度からの「減反」廃止でコメはどうなる?
“コメ離れ”で需要が増す小麦は9割近くを輸入
輸入トウモロコシの7割以上は家畜の飼料
国内産では1割弱しか需要がまかなえない大豆
国民1人当りの食肉消費量は豚、鶏、牛の順
海洋国なのに、なぜか水産物輸入大国
【Column】
米国が食事目標とした「和食」は今や“遺産”
国際司法裁判所が“違法”と断じた調査捕鯨

燃料資源
原発事故で依存度がさらに高まった石油
日本が天然ガス輸入で期待する米国とロシア
近海に眠る“燃える氷”メタンハイドレート
掘り尽くして、もはや外国頼みの石炭

鉱物資源
鉄鋼製品輸出大国が鉄鉱石は輸入
国内の閉山で海外産を求める非鉄金属
日本の金準備は米国の10分の1以下
都市鉱山では日本が資源大国だって?
【Column】
資源不足解消へ期待高まる“海洋資源”

森林・水資源
国土の7割近くが森林なのに木材輸入国だって?
輸入依存度が高いパルプ材と天然ゴム
国民の水資源量は世界平均の4割程度

第2章 アジア・豪州

食料資源
世界のコメの約9割を生産するアジア
消費増加で穀物輸入国に転じた中国
貿易量が多い小麦の輸出国はオーストラリア
食肉の消費事情が異なるアジアの国々
日本の輸入サケを再加工して輸出する中国
韓国漁船の乱獲が進む日本海のカニとアナゴ
管理漁業で絶滅が防げるか?ニュージーランドの深海魚
【Column】
21世紀の紛争の火種は“種子”?
東南アジアの“エビ養殖”にひそむ問題点

燃料資源
6カ国・地域が争う南シナ海の石油・ガス権益
石炭輸出の2強はオーストラリアとインドネシア
アジアの需要が増大するウランのゆくえは?
【Column】
もう1つの核物質“トリウム”の主産地はインド

鉱物資源
生産国に振り回されるレアメタルの供給事情
金の産出量・消費量が世界トップになった中国
枯渇は時間の問題とされる中国のベースメタル
東南アジアとオーストラリアが主要産地の合金材料

森林・水資源
アジア諸国の植林で森林面積が微増
アジアに集中する天然ゴムの産地
国家間の利権争いが多発する水資源

第3章  北米・中南米・極地
 
食料資源
穀物輸出を世界制覇の戦略の要にする米国
米国とブラジルで生産されているコメ
世界の小麦輸出量の4割を北米2カ国で占める
砂糖の生産・輸出・消費で世界を圧倒するブラジル
食肉産業界を2分する米国とブラジル
天然ものが減少している太平洋沿岸の水産物
【Column】
国際流通に大きな影響力を持つ“穀物メジャー”
「コーヒーベルト」と呼ばれる南北25度の緯度内

燃料資源
日本が開発に協力する中南米の石油・天然ガス
カナダ産石油の過半を占めるオイルサンド
シェール革命で燃料輸出大国へ転換を図る米国
米国とブラジルで増産が進むバイオマス燃料
【Column】
資源に恵まれた土地の先住民が起こした“反乱”

鉱物資源
開発投資が拡大する中南米の金属資源
電気自動車の動力源リチウムの主産地は南米
貴金属も豊富な南北アメリカ大陸

森林・水資源
生態系にも影響を及ぼす熱帯林の減少

極地
気候変動で氷が融け、発見が相次ぐ海底資源

第4章  欧州・ロシア

食料資源
穀物自給率10%台のオランダが農産物輸出大国?
不作で穀物輸出を禁止したロシア政府
英国で発生した狂牛病で牛肉の需要が激減
漁業大国スペインは世界最大のイカ・タコ輸入国
ロシアのサケ・マス漁規制強化で日本漁船は?
【Column】
大英帝国の植民地で起きた資源をめぐる2つの悲劇

燃料資源
ガスパイプラインで西への圧力を強めるロシア
スコットランドを独立へ向かわせた北海油田
EU最大の石炭埋蔵国ドイツが目指す“脱原発”
ウラン鉱山開発が進むカザフスタン
【Column】
エネルギー政策で足並みが乱れるEU諸国

鉱物資源
英国系メジャーが強大な力を持つ鉱物市場
ロシアは世界有数の貴金属産出国
ベースメタルで経済成長を図るポーランド
【Column】
日ロ間の「北方領土問題」の背景にある資源

森林・水資源
資源の劣化が危惧される森林大国ロシア
水ビジネスで世界進出中の“ウォーター・バロン”

第5章  中東・アフリカ

食料資源
人口増加と砂漠化で食料難が続くアフリカ
中東とアフリカは世界屈指の穀物輸入率
アフリカで生産が増加しているイモ類
【Column】
貧富の差が「報復の連鎖」を招いたルワンダの部族紛争

燃料資源
原油輸出国の利権を守るOPEC加盟の12カ国
原油生産量トップの座を奪われたサウジアラビア
原油タンカーが通る海峡は日本の“要所”
【Column】
資源大国ブラジルと地形の相関性があるアフリカ南西岸

鉱物資源
鉱物資源の供給地として注目された「暗黒大陸」
白金族の資源ポテンシャルが高いアフリカ南部
【Column】
貴金属の宝庫・南アフリカが人種差別をした理由

森林・水資源
木材を武器に換えたアフリカの紛争国
水源の枯渇で窮地に陥るアラブ諸国

[終章] そもそも、資源は誰のもの?
野蛮と文明のはざまで……
原発事故は“自然からの警鐘”
エネルギーの未来

あとがき

【著者プロフィール】

安部直文(あべ・なおぶみ)
1949年生まれ。ジャーナリスト・編集者。福島県立安積高校、早稲田大学で学び、新聞社・出版社勤務を経て81年から著述活動を行っている。著書に、和英対訳版を含む全10冊・累計50万部発行の「全図解しくみ事典シリーズ」(日本実業出版社) をはじめ、『よくわかる世界の紛争大図解』『政治の正体』『和英対訳・不思議の国ニッポン』など多数があり、社会の事象をわかりやすく解説することに定評がある。