科学と宗教の未来
脳科学者と辺境生物学者による「サイエンス対談」。科学とは何か、社会はどうあるべきか、人はどう生きるべきか──。生命の不思議と人間の可能性について、自由闊達に語り尽くす!
- 定価:
- 1,760円(税込)
- ISBN:
- 978-4-476-03412-7
- 体裁:
- 四六判ソフトカバー
- ページ数:
- 216ページ
- 発刊日:
- 2023年1月20日
- 在庫状況:
- 在庫あり
- 参考価格:
- 1,320円(税込)
- 発売日:
- 2023年1月20日
【目次】
まえがき 茂木健一郎
第1章 科学とは何か
人生痛恨のミス
生命の起源は偶然?
二十一世紀の生物学は細胞生物学の時代
生物学は〝枚挙の学問〟
生命の起源は地球外にあり?
科学的な態度とは
NASAによる「DART」ミッション
生物が持つ反脆弱性
生物は相互に依存している
科学と自由意志論
「わからない」は教育も同じ
「頭がいい」ってどういうこと
日本はインテリジェンスの文化が弱い
「天才」は属性と時代が生む
人柄や性格を生むもの
「逃げ場」を持つことの意味
第2章 「生きる」を考える
生物の寿命
生命と情報の関係
生命はシミュレーションできない
パクチー嫌いは遺伝?
塩分と糖分の取り過ぎ
ウイルスの弱毒化
大学の本質的な価値
バーチャル・ニーチェ
人生と「遊び」
「する」じゃなく「なる」
人生は複雑でわからないもの
高齢化社会と高等教育
第3章 宗教と科学について
心と「哺乳」
「一人称、二人称、三人称の死」
なぜ人間は宗教を持ったのか
否定神学のおもしろさ
仏教が持つ普遍性
欲望が苦しみをもたらす
「おもいやり」と「仏性」
脳にまつわる「バカの壁」
人間だけが持つ「白眼」
意識とクオリア
「音」の持つ特別な力
新しい〝虚構〟が必要
人間の幸福のための宗教
民主主義と権威主義
平和は「心の平和」から
核抑止の脆弱性
イデオロギーに陥らないために
ソーラーパネルと鷹匠
ランキングっておかしくない?
アインシュタインの後悔
動物にも邪悪な「殺意」はあるか
「人種」というものはない
生きものはみんな頑張っている
あとがき 長沼毅
【著者プロフィール】
茂木健一郎(もぎ・けんいちろう) 1962年、東京都生まれ。東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所などを経て、現在、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。専門は脳科学、認知科学。「クオリア」をキーワードに脳と心の関係を研究するとともに、 文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。『クオリアと人工意識』(講談社現代新書)『脳を活かす勉強法』(PHP文庫)など、著書多数。
長沼 毅(ながぬま・たけし) 1961年、三重県生まれ。筑波大学大学院生物科学研究科博士課程修了。理学博士。海洋科学技術センター、カリフォルニア大学サンタバーバラ校海洋科学研究所客員研究員などを経て、広島大学大学院生物圏科学研究科教授。専門は極限環境の生物学、生物海洋学。北極、南極、深海、砂漠など世界の辺境に極限生物を探し、地球外生命を追究しつづけている。主な著書に『世界をやりなおしても生命は生まれるか?』(朝日出版社)、『考えすぎる脳、楽をしたい遺伝子』(クロスメディア・パブリッシング)、『ゼロからはじめる生命のトリセツ』(角川文庫)などがある。