大沢 博
レグルス文庫
「心の健康」と食事・栄養が深く関わりあっていることが、遅まきながら認識されるようになってきました。本書は、ライナス・ポーリング(ノーベル化学賞・平和賞受賞)とカナダのエイブラム・ホッファーが1960年代に創始した分子整合栄養医学に基づき、「心の病」と見なされているものの多くが、実は栄養欠損に起因することを明らかにしています。 特に、今日の若者たちに見られる、うつ・暴力・無気力・統合失調症などの要因として、砂糖採り過ぎ、米離れによる低血糖症を指摘しています。心身の健康に、食事のあり方がいかに影響しているか。この単純な真理を改めて考えさせてくれる一書です。
もくじ 第一章 荒れる社会と食生活 1 暴力化する人間 2 食事崩壊の恐ろしさ 3 心を“凶悪”にする生化学的要因 4 荒れた学校──“食育”で立ち直る 第二章 低血糖症という病 1 暴力と低血糖 2 世界初の低血糖症の論文 3 医師の体験と臨床研究 4 現代病──低血糖症 第三章 低血糖症の人びと 1 不登校と低血糖症 2 学生・教師のレポートから 3 ADHDと低血糖症 第四章 低血糖症と統合失調症 1 低血糖症とカテコラミン 2 ホッファーのアドレノクロム──アドレノルチン説 3 栄養療法で改善した 第五章 アルツハイマー病と低血糖 1 「認知症」の老人の調査 2 認知症と糖代謝 3 医学者が食生活に注目した 4 菓子が大好きだった患者 第六章 食生活の立て直し 1 米離れで菓子に傾いた食生活 2 砂糖過剰摂取の問題