菅野博史
レグルス文庫
ハンディな「法華経入門」であるとともに、宗教間対話など現代の宗教の諸問題と宗教紛争回避について『法華経』の叡智をもとに展開する。
[目 次] [序 章]ゴータマ・ブッダの生涯と思想 一 インドにおけるゴータマ・ブッダの仏教の創唱 二 ゴータマ・ブッダの基本思想 ──四諦と十二因縁を貫く縁起 三 大乗仏教の成立 [第一章]『法華経』とは何か 一 『法華経』二十八品 二 『法華経』の成立 三 原典と翻訳 四 思想内容 五 後世への影響 [第二章]現代に生きる『法華経』 一 『法華経』の宇宙観 二 『法華経』と楽観主義 三 『法華経』における楽観主義的救済論の特色 四 宗教は人間のためにある 五 「諸行無常」は新しい価値創造への里程標 [第三章]「救われる者」から「救う者」へ ──誓願に生きる 一 法師品に説かれた願生の菩薩(地涌の菩薩) 二 地涌の菩薩が出現する穢土としての娑婆世界 三 久遠の釈尊と地涌の菩薩の実践 四 この現実世界は、幸せを満喫する場所 五 天台智顗と日蓮の『法華経』の思想 [第四章]宗教的寛容について 一 ブッダの説いた「法」は誰もが体験可能なもの 二 『法華経』における「法」と諸仏・諸教の統一 三 『法華経』の包括主義 四 宗教間対話への道 [第五章]宗教間対話について 一 『法華経』方便品の「一乗」の思想 二 『法華経』と諸宗教との関係 三 『法華経』と宗教間対話について ──四安楽行と弘経の三軌(如来の衣座室) 四 宗教間対話の重要性 [著者紹介] 菅野博史(かんの・ひろし) 1952年、福島県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院博士課程単位取得退学。文学博士(東京大学)。創価大学文学部教授、中国人民大学客員教授。専門は、仏教学、中国仏教思想史。 著書・訳書に『法華玄義』『法華文句』『法華玄義を読む』『一念三千とは何か』『法華経の七つの譬喩』『中国法華思想の研究』など多数。