藤沼貴
第三文明選書
『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』などの名作を残したロシアの大文豪トルストイ。権力と闘い、内なる生の鉱脈を掘りつづけた巨人の実像に迫り、その82年の生涯を描いた力作評伝。『戦争と平和』『復活』『幼年時代』(以上、岩波書店)等の翻訳で活躍し、トルストイ協会会長を務めた著者の労作(レグルス文庫)を、ハードカバーの第三文明選書として復刊。
【目次】 まえがき 1. トルストイの故郷と家系 2. 幼・少年時代の幸福と悲しみ 3. 大学生活とその挫折 4. 故郷での農業経営とその失敗 5. 軍隊生活と生死の苦悩 6. 農民解放と「進歩」の問題 7. 農民の中へ 8. 結婚、『戦争と平和』 9. 『アンナ・カレーニナ』 10.『懺悔』と宗教的探求 11.トルストイ主義の形成 12.『復活』 13.破門 14.暴力との闘い 15.家出と死 トルストイ略年譜 【著者プロフィール】 藤沼 貴(ふじぬま・たかし) 1931年、中国遼寧省鞍山市に生まれる。早稲田大学大学院ロシア文学専攻博士課程修了。早稲田大学教授を経て、創価大学特任教授、早稲田大学名誉教授。文学博士。2012年、神奈川県横浜市にて逝去。著書『トルストイ』(第三文明社)、『トルストイと生きる』(春風社)、『近代ロシア文学の原点──ニコライ・カラムジン研究』(れんが書房新社)、『新版ロシア文学案内』(岩波書店、共著)、『ロシア語ハンドブック』(東洋書店新社)、『和露辞典』(研究社)ほか。訳書『戦争と平和』『復活』『幼年時代』(以上、岩波書店)、『アンナ・カレーニナ』(講談社)、『トルストイの民話』(福音館書店)ほか。