伊藤貴雄 編
トロイアの遺跡を発見したシュリーマンは、なんと東京・八王子の魅力を世界に紹介していた! シュリーマンを知りたい人、八王子を愛する人に贈る一書。シュリーマンの生涯と語学学習法を紹介するとともに、シュリーマンの直筆日記から八王子訪問の記録を本邦初訳。幕末の八王子の絹産業を解説し、「シュリーマンで八王子まちおこし──桑都プロジェクト」の取り組みも公開する。 《推薦・読売新聞特別編集委員 橋本五郎》 「本書は(シュリーマン著)『清国・日本』の描く八王子を紹介してくれているだけではありません。その元となった詳細・膨大なシュリーマンの日記を本邦初訳で、シュリーマンから見た八王子を再現しているのです。幕末から明治にかけて、生糸は国の近代化を支える重要な産業であり、八王子はその集散地で輸出拠点だったこともわかります。」
【目次】 推奨 偉大なロマンティスト大全 橋本五郎 はじめに 新たなシュリーマン像を求めて 伊藤貴雄 世界市民的見地から見たシュリーマン 遠山義孝 シュリーマンと幕末・八王子の絹産業 神立孝一 シュリーマンは八王子で何を見たか 伊藤貴雄 時に大胆に、そして常に誠実であれ──シュリーマンとグラッドストン 堤林剣・堤林恵 シュリーマンで「まちおこし」──桑都プロジェクト 西川ハンナ 付録・シュリーマン生誕200周年記念「学生選書」 コラム 八王子学の可能性 杉山由紀男 おわりに 【編者プロフィール】 伊藤貴雄(いとう・たかお) 創価大学文学部教授・東洋哲学研究所研究員。創価大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(人文学)。ドイツ・マインツ大学ショーペンハウアー研究所客員研究員などを経て、現職。哲学・思想史専攻。主な著書に『ショーペンハウアー 兵役拒否の哲学』(晃洋書房)、『ヒューマニティーズの復興をめざして』(勁草書房、共著)、共訳に『ゲーテ゠シラー往復書簡集』(潮出版社)、『ヘルマン・ヘッセ全集4 車輪の下・物語集Ⅱ』(臨川書店)など。