第三文明社

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統合失調症の心理療法

ユング心理学・精神医学・仏法からのアプローチ

前田 正

暗黒な部分は、ネガティブ・ポジティブ両面をあわせもつ――。
ユング派分析家である精神科医が3つの角度より統合失調症を考察し、破壊から創造への道を探る。

統合失調症の心理療法
書籍
定価:
2,750円(税込)
ISBN:
978-4-476-09025-3
体裁:
四六判ハードカバー
ページ数:
248ページ
発刊日:
2013年5月10日
在庫状況:
在庫あり

[目次]
はじめに

第1章 統合失調症とはどのような病か?
(1)五人の事例

(2)精神医学の視点から
 1.統合失調症の診断基準
 2.統合失調症の基礎傷害障害

(3)ユング心理学の視点から
 1.ユング心理学の基礎概念
 2.ユング心理学から見た統合失調症

(4)仏法の視点から
 1.病の起こる原因
 2.煩悩
 3.十界論 
 4.九識論
 5.仏法の視点から見た統合失調症五事例の理解

第2章 統合失調症の心理療法
(1)五人の治療経過

(2)心理療法に取り組んだ精神医学の先人たち
 1.ゲルトルート・シュビヴィングの「母なるもの」
 2.ガエターノ・ベネデッティの「治療的逆同一化」
 3.マルグリート・セシュエーの「象徴的実現」
 4.中井久夫の統合失調症寛解過程における絵画療法
 5.生活臨床

(3)ユング派分析家たちの取り組み
 1.C・G・ユングの分析療法
 2.フィリップ・メトマンの通院治療の取り組み
 3.織田尚生の王権の心理学
 4.武野俊弥の生きた神話の生成
 5.統合失調症の五事例に対するユング派の心理療法

(4)仏法的接近
 1.仏法による超越
  1 小乗仏教
  2 インドの大乗仏教
  3 東アジアの大乗仏教
  4 深層心理学的解釈
 2.天台智ギ※の観念観法
 3.仏の象徴
  1 仏とは何か
  2 神格化された仏(仮の仏・迹仏)
  3 真の仏(本仏)
 4.十界互具
 5.煩悩即菩提
 6.統合失調症への仏法的接近

第3章 結論─―統合的治療のために

(1)ユング心理学・精神医学・仏法を統合した治療
 1.統合的治療
 2.治療が一面的になりすぎた時の二つの危険
 3.統合失調症の五事例の統合的治療

(2)法華経の象徴解釈
 1.法華経とは如何なる仏教経典か
 2.ユング心理学から見た法華経の世界

(3)まとめ

あとがき

文献
索引

[著者紹介]
前田 正(まえだ・ただし)
1960年、神奈川県横浜市生まれ。日本ユング派分析家協会(AJAJ)分析家。常葉大学健康プロデュース学部教授。医学博士、臨床心理士。横浜市立大学医学部卒業。スイス・ユング研究所の訓練・資格候補生を経て、ユング派分析家国際資格取得。精神科病院の医長、副院長を歴任。専門はユング心理学、臨床心理学、精神医学。共著に『臨床心理学入門事典』『カウンセリング辞典』などがある。