『ギーター』書簡
第三文明選書
古代インドの大叙事詩『マハーバーラタ』に説かれる神の歌「バガヴァッド・ギーター」。獄中のマハートマ・ガンディーは、この聖典の精髄を人びとにわかりやすく示すため、18通の手紙を書き送った。 ガンディーは冒頭に述べる。「『マハーバーラタ』も『ラーマーヤナ』もともに歴史物語ではなく、宗教書である。また、わたしたちがそれらを歴史書と呼ぶとすれば、それは人間の魂(こころ)の物語を記したものだからである。すなわちそれらは、何千年も昔に起こった出来事を伝えるものではなく、今日もすべての人間の心に生起することを述べている。両書ともに、神と人間のうちなる悪魔の永遠の戦いを物語っている。『ギーター』はこれを、アルジュナとクリシュナの対話の形式で伝えている」と。 現代インド思想・文学の碩学、故・森本達雄名城大学名誉教授の遺作となった訳業を、父の後を継いで森本素世子東海学園大学教授が補訂。
- 定価:
- 2,200円(税込)
- ISBN:
- 978-4-476-18013-8
- 体裁:
- 新書判ハードカバー
- ページ数:
- 192ページ
- 発刊日:
- 2018年11月4日
- 在庫状況:
- 在庫あり
- 参考価格:
- 1,650円(税込)
- 発売日:
- 2019年6月28日
【目次】
凡例
第1章 1930年11月11日
第2章 1930年11月17日
第3章 1930年11月24日
第4章 1930年12月1日
第5章 1930年12月9日
第6章 1930年12月16日
第7章 1930年12月23日
第8章 1930年12月29日
第9章 1931年1月5日
第10章 1931年1月12日
第11章 1931年1月19日
第12章 1930年11月4日
第13章 1932年1月25日
第14章 1932年1月25日
第15章 1932年1月31日
第16章 1932年2月7日
第17章 1932年2月14日
第18章 1932年2月21日
あとがきに代えて 森本素世子
【著者プロフィール】
M. K. ガンディー 1869~1948。インドの思想家、政治家。マハートマ(偉大なる魂)の名で知られる「インド独立の父」。本名、モーハンダース・カラムチャンド・ガンディー。イギリスに留学し、弁護士資格を取得。南アフリカで弁護士活動をおこなうとともに、人種差別の撤廃運動に参加。インド帰国後は、非暴力・不服従運動、抗議のための行進、断食などを通じて、独立運動を指導した。
【訳者プロフィール】
森本達雄(もりもと・たつお) 1928~2016。和歌山市生まれ。同志社大学神学部卒業。インド国立ヴィシュヴァ・バーラティ大学(通称タゴール国際大学)准教授を経て、帰国後、名城大学教授等を歴任。名城大学名誉教授。現代インド思想・文学専攻。著書に『ガンディー』(講談社)、『インド独立史』『ヒンドゥー教──インドの聖と俗』(以上、中公新書)、『ガンディーとタゴール』(第三文明社)など。訳書にガンディー『獄中からの手紙』(岩波文庫)、『原典でよむ タゴール』(岩波書店)、ネルー『忘れえぬ手紙より』(みすず書房)、ガンディー『わが非暴力の闘い』、K・クリパラーニ『タゴールの生涯』、『タゴール著作集』(以上、第三文明社)など、多数。
【補訂者プロフィール】
森本素世子(もりもと・そよこ) 東海学園大学心理学部教授。津田塾大学学芸学部卒業。ミシガン大学大学院修士課程修了。インドの英語文学専攻。訳書にR. K.ナラヤン『ガイド』(日本アジア文学協会)、サタジット・レイ『わが映画インドに始まる──世界シネマへの旅』、「ベンガル瞥見」〔『タゴール著作集』所収〕(以上、第三文明社)など。