雨宮処凛が見る世界
──生きづらい女性たち
第三文明e文庫
20年以上「生きづらさ」や格差・貧困問題の解決に取り組んできた作家・活動家の雨宮処凛(あまみや・かりん)氏が、この国の女性たちの「この10年」(2012~2021)の記録を留めた書。根底から日本社会のあり方を変えた東日本大震災と原発事故、高橋まつりさんの過労死事件、女子受験者の一律減点問題、「#Me Too」運動、コロナ禍で苦しむ人々──当事者に寄り添い続けた雨宮氏がさまざまな社会問題を読み解く。月刊誌『第三文明』の好評連載「作家・雨宮処凛が見る世界」から厳選した原稿を電子書籍化。
- 参考価格:
- 385円(税込)
- 発売日:
- 2022年3月11日
【目次】
はじめに
東日本大震災後の世界
1 まずは自己紹介
2 3・11から一年の石巻
3 札幌市・四十代姉妹孤立死
4 こわれ者の祭典
5 韓国・女二人旅
6 自己責任社会
7 自分の取扱説明書
8 無関心に見える若者の背景
9 「助けて」と言える人がいますか?
10 助けを求める「作法」
11 赤ちゃんポスト
12 脳死の女性が出産
13 子どもを持つ人は「特権階級」?
14 鳥取連続不審死事件
15 「最底辺」に追いやられる女性たち
戦後70年が経過した世界
16 戦後70年
17 平成型苦学生のリアル
18 「越冬」
19 3・11から5年
20 銚子市・母子心中事件
21 電通過労自殺事件
22 路上にいる人の事情が複雑に
23 単身女性が生き延びるノウハウ
24 居場所のない少女たち
「♯Me Too」ムーブメント後の世界
25 「呪いの言葉」に苦しむ女性たち
26 非正規・単身・アラフォー女性
27 ネットカフェでの孤立出産
28 女子受験者を一律減点問題
29 野田市・小4虐待死
30 4つの性暴力事件の無罪判決
31 医大不正入試をめぐる裁判
32 ロスジェネ求人に1800人が応募
33 家賃滞納・追い出しで心中事件
コロナ禍の世界
34 コロナ不況で急増する自殺者
35 女性のホームレス化
36 炊き出しに並ぶ女性や家族連れ
37 「八尾母子餓死事件」調査団、結成
38 困窮者支援の過酷な現実
39 コロナ禍での女性の苦境
40 女性たちの「助け合い」
41 炊き出しの列と戻らぬ「日常」
【著者プロフィール】
雨宮処凛(あまみや・かりん) 1975年、北海道生まれ。作家・活動家。反貧困ネットワーク世話人。フリーターなどを経て、2000年、自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版、ちくま文庫所収)でデビュー。06年から貧困・格差の問題に取り組み、『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版、ちくま文庫所収)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)受賞。著書に『バンギャル ア ゴーゴー』(講談社文庫)、『「女子」という呪い』(集英社クリエイティブ)、『非正規・単身・アラフォー女子 「失われた世代」の絶望と希望』(光文社新書)、『ロスジェネのすべて──格差、貧困、「戦争論」』(編著/あけび書房)、『相模原事件・裁判傍聴記「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ』(太田出版)、『この社会の歪みと希望』(共著/第三文明社)など多数。