佐藤優 著
人間主義の思想書『法華経の智慧』(池田大作著)をベースに、世界宗教の条件を考察するシリーズの第6巻。同書下巻の「分別功徳品」「随喜功徳品」「法師功徳品」「常不軽菩薩品」「如来神力品」を巡る語らいを読み解き、真の功徳とは何か、世界宗教とキャノニゼーション(正典化)、国家主義という宗教に抗する「人間主義」の宗教の意義などに迫る。月刊『第三文明』好評連載の2021年8月号分から、2022年7月号分までを書籍化。
【目次】 まえがき 1 「功徳」とは自己の生命から湧出するもの 2 幸福と煩悩の関係を法華経から考える 3 弘教の歓喜と功徳──その奥深さ 4 世界宗教に不可欠な「正典化」 5 弘教がもたらす生命の浄化を考察する 6 不軽菩薩の実践を現代に蘇らせた創価学会 7 未来の「創価文明」時代の象徴 8 「われこそは不軽菩薩」との誇りを胸に 9 創価学会が持つ「変革のエートス」 10 「民衆こそ仏である」という思想 11 「人間のための宗教」を高らかに宣言 12 生命力こそが「神力」であるという思想 索引 【著者プロフィール】 佐藤優(さとう・まさる) 1960年、東京都生まれ。作家。同志社大学大学院神学研究科修了後、専門職員として外務省に入省。在ロシア日本大使館に勤務し、主任分析官として活躍。著書に『自壊する帝国』(新潮文庫〈大宅壮一ノンフィクション賞受賞〉)、『国家の罠』(新潮文庫〈毎日出版文化賞特別賞受賞〉)、『創価学会と平和主義』(朝日新書)、『池田大作研究──世界宗教への道を追う』(朝日新聞出版)、『佐藤優の「公明党」論』(第三文明社)、『北東アジア市民圏構想』(金惠京との共著/第三文明社)、『この社会の歪みと希望』(雨宮処凛との共著/第三文明社)、『プーチンの野望』(潮新書)など。第10回安吾賞受賞。『十五の夏』(上下巻/幻冬舎)で第8回梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞。第68回菊池寛賞受賞。