我妻和男
インドの心とベンガル文化を知る!──タゴール研究に身を献げ、日印文化交流の懸け橋として生きた碩学の論考を集成。 本書は、日本におけるタゴール研究、ベンガル語とベンガル文化・文学研究の碩学として知られ、日印文化交流の発展に尽力した我妻和男(1931~2011)の著作集。アジア人初のノーベル賞受賞者でもあるインドの詩聖タゴール(1861~1941)の膨大な業績や、日本とタゴールの深い関わりを中心としつつ、インド文明・ベンガル文化圏についての論考も交え、著者が多くの新聞・雑誌・文集へ寄稿した随筆・論文、講演記録やインタビュー記事などを収めた。また、ベンガル語で著述した原稿も翻訳し、できるかぎり収録した。
【目次】 編者まえがき 凡例 Ⅰ 飛翔するタゴール 詩聖タゴールの世界 タゴールの世界 飛翔するタゴール タゴールとガンディー再発見 タゴールとバングラデシュ 独印文化交流 タゴールの近代インド倫理思想 タゴールのDharma 観をめぐって Ⅱ タゴールと日本 タゴールと日印の文化交流 日印美術交流の先駆者 タゴールと日本 近代日印文化交流 天心とタゴール 岡倉天心とタゴールの素晴らしい出会い 天心・大観・タゴール家 日印文化交流の先駆者と荒井寛方・氏家町 近代インド美術と荒井寛方 荒井寛方日記に寄せて 結びつける壁 インドにおける堀至徳 堀至徳について タゴールと平等通昭 タゴールと二人の柔道家 さびしい日本の姿勢 国際化する日本と南アジア シャンティニケトンのタゴールと日本の女性たち 我妻絅子 Ⅲ インドの心 ベンガル・ルネッサンス考 ベンガル語言語民族主義 ベンガル文学に就いて バングラデシュの現代仏教 ラーマクリシュナを偲ぶ インドの心 インド文明と価値 近代インドと子ども Ⅳ インドの言語 インドの言語 インドの民族と言語 Ⅴ 私自身のこと ベンガル語の講義 異文化交流通して平和の探究を 私自身のこと 求む、ベンガル語の本の盗人 来世ではベンガル人に生まれたい 〈付〉 デーミアン 〈我妻夫妻のこと〉 シャンティニケトンに棲みついた鳥 ニマイシャドン・ボシュ 我妻さんとベンガル語の三十年 オミトロシュドン・ボッタチャルジョ 我妻夫妻のこと─ 驚くべきふたり シュニル・ゴンゴパッダエ 日本での「タゴールの夕べ」 ニレンドロナト・チョクロボルティ 我妻さん ポビトロ・ショルカル 我妻先生を偲んで 河合 力 我妻先生の本 渡辺一弘 〈資料〉 我妻和男著作一覧 日本語 ベンガル語 著者略歴 編者あとがき 野呂元良 索引 【著者プロフィール】 我妻和男(あづま・かずお)1931~2011■東京都出身。東京大学文学部ドイツ文学科卒。同大学院からドイツ語とインド哲学で修士号を取得。横浜国立大学助教授、ビッショバロティ大学(インド国立タゴール国際大学)客員教授・日本語学科長、早稲田大学助教授、筑波大学助教授・教授・学系長、麗澤大学教授を歴任。筑波大学名誉教授、麗澤大学名誉教授、ロビンドロ・バロティ大学名誉博士ほか。比較文化学者、タゴール研究・インド学専攻。日印タゴール協会を中心者として設立し、ビッショバロティ大学内に日本学院を設立。同大学より国民至高者賞、西ベンガル州政府よりタゴール賞受賞。日印文化交流とタゴール研究への寄与で、瑞宝中綬章受章。『タゴール─詩・思想・生涯』(麗澤大学出版会)ほか、日本語・ベンガル語の著書多数。「タゴール著作集」(第三文明社)の編集委員・分担執筆者。