エーリッヒ・フロム 著/樺俊雄 訳
「フロムの狙いは、ソ連型マルクス主義からマルクスの思想を解放し、ヒューマニズム(人間主義)としてマルクス主義を再解釈することだ」(作家・佐藤優「推薦の辞」より)。 人間主義的精神分析家として知られるエーリッヒ・フロムがマルクスについて論じ、樺俊雄氏が訳した名著。待望の復刊にあたり、新たに佐藤優氏の「推薦の辞」を収録した。 マルクスの『経済学・哲学草稿』をベースに、『資本論』『ドイツ・イデオロギー』なども読み解きながら、マルクス思想の人間主義的側面について浮かび上がらせる。世間で広く誤解されているマルクス思想の本質に迫る一書。 「マルクスの人間観を内容とする本書がマルクスを理解するのに役立ちつづけ、そして「反マルクス主義者」やみずからマルクス主義者を名のる多数の人によって彼の思想が曲解され改悪されるのに対する矯正手段として役立つであろうことを、私は希望するものである。それと同時に、本書が今日起こりつつあるヒューマニズムの再生運動に役立つことを、私は希望するものである」――本書「日本語版へのまえがき」より。 この書籍はまだ販売されていません。2026年7月8日発売予定です。販売サイトによっては、購入の予約ができます。
【目次】 推薦の辞 佐藤 優 日本語版へのまえがき Ⅰ マルクス思想の曲解 Ⅱ マルクスの史的唯物論 Ⅲ 意識、社会構造、暴力行使の問題 Ⅳ 人間の本性 Ⅴ 疎外 Ⅵ マルクスの社会主義観 Ⅶ マルクスの思想における連続 Ⅷ 人間としてのマルクス 英語版の序文 訳註 解説 樺 俊雄 【著者略歴】 エーリッヒ・フロム(Erich Fromm) 1900年、ドイツ生まれ。ハイデルベルク、フランクフルトなどの大学で心理学と社会学を学んだあと、ベルリン大学で精神分析を学ぶ。フランクフルト社会研究所を経て、初期フランクフルト学派を代表する業績を残す。33年、ナチスの手を逃れてアメリカに亡命。その思想の特徴は、フロイトとマルクスの統合にあり、精神分析に社会学的視点を導入して、いわゆる「新フロイト派:の代表的存在と目される。80年、スイスで死去。著作に『自由からの闘争』(東京創元社)、『愛するということ』『生きるということ』(以上、紀伊國屋書店)、『聴くということ』『よりよく生きるということ』(以上、第三文明社)などがある。 【訳者略歴】 樺 俊雄(かんば・としお) 1904年、東京生まれ。27年、京都大学文学部卒業。文学博士。神戸大学教授、東京外国語大学教授、中央大学教授、創価大学教授などを歴任。専門は、社会学、哲学。80年、死去。 数学教育近代化の先駆的役割を果たした数学者樺正董の孫。安保闘争で死去した東京大学の女子学生樺美智子の父でもある。著訳書に『現代における人間疎外』(未来社)、『最後の微笑 樺美智子の生と死と』(文藝春秋新社)、『初歩の社会学』(第三文明社)、ランツフート『社会学批判』(岩波書店)など多数。