中江克己
「世界初」「日本一」………。 江戸時代、殿様の独創的な好奇心は、趣味の域を大きく超えていた! 27人の凄い正体に迫る。
[目次] はしがき 第1章 数学と博物学への熱意 有馬頼徸──駕籠の中でも没頭した「算術大名」 増山正賢──昆虫の写生に熱中 大関増業──名水ブームの草分け 堀田正敦──趣味の域を越える鳥の図鑑 土井利位──世界初の雪華図鑑を刊行 第2章 茶の湯の楽しみ 小堀政一(遠州)──茶道をきわめた達人 松平乗邑──茶器図鑑をまとめた風流大名 松平治郷──風流暮らしを楽しむ茶の湯大名 徳川治宝──茶器を焼く窯を築く 第3章 趣向をこらした大名家の庭園 柳沢吉保──六義園をつくった殿様 松平定信──広大な庭のぶらぶら歩き 徳川宗春──粋を重んじた大名庭園 第4章 書物を集め、本を書く 徳川光圀──十代で志した歴史書づくり 前田綱紀──天下一の図書館をつくる 松浦静山──好奇心を詰め込んだ随筆集 第5章 俳諧や和歌を詠む 藤堂高通──句作に励む「俳諧大名」 内藤義英──芭蕉に師事した本格派 堀 親昌──「和歌の名手」だった殿様 柳沢吉里──「歌人大名」の名を残す 第6章 湯治の旅と遊興 徳川頼宣──湯治や捕鯨を楽しむ 牧野成貞──隠居後に楽しんだ湯治の旅 榊原政岑──遊芸を好む派手好きな殿様 津軽信順──夜遊び好きな「夜鷹大名」 第7章 異国文化を求めて 佐竹義敦──秋田蘭画の祖となる 朽木昌綱──わが国初の世界地理書 島津重豪──中国語の会話を楽しむ 鍋島直正──オランダ語を流暢に話す [著者略歴] 中江克己(なかえ・かつみ) 北海道函館市出身。思潮社、河出書房新社などの編集者を経て歴史作家。現在、歴史の意外な側面に焦点を当てて執筆している。主な著書は『お江戸の役人面白なんでも事典』『お江戸の地名の意外な由来』『お江戸の職人素朴な疑問』(以上、PHP研究所)、『江戸の将軍百話』(河出書房新社)、『忠臣蔵と元禄時代』(中央公論新社)、『江戸の定年後』(光文社)、『新島八重』『黒田官兵衛』(以上、学研パブリッシング)、『図説 江戸の暮らし』『図説 江戸城の見取り図』(以上、青春出版社)、『江戸のスーパー科学者列伝』(宝島社)など多数。