松本健一
レグルス文庫
日本人はなぜドストエフスキイに憑かれるのか。その受容史を介して近代日本の深層に光をあてる。
[もくじ] まえがき 序章 憑(つ)かれた人びと 1 「日本的近代」の毒 2 個人と時代の受容 3 第六番目の世代 第一章 新しき文学の渇望─明治二十五年前後 1 二葉亭四迷の悲劇 2 『浮雲』の変貌と中絶 3 内田魯庵訳『罪と罰』の変転 4 魯庵の歩み 5 魯庵訳『罪と罰』評について 7 北村透谷とラスコーリニコフ 8 周辺への波及 第二章 近代の定着と矛盾─明治四十年前後 1 日露戦争のあとに 2 『破戒』と『罪と罰』 3 自然主義文学の陥穽 4 森田草平と夏目漱石 5 森鴎外と石川啄木 6 明治の終焉 第三章 社会と個人の接点─大正期 1 最初の全集 2 白樺派から萩原朔太郎へ 3 芥川龍之介の不安 4 民衆の登場